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 中央社会保険医療協議会(中医協)が1月に福島市内で開いた公聴会の傍聴者らを対象にしたアンケートでは、公聴会での意見を今後の中医協の審議に反映させるよう求める声が多かったことが、厚生労働省の集計で分かった。

 公聴会は来年度の診療報酬改定に国民の声を反映させる狙いで1月22日、福島市内にある福島県文化センターで開催された。アンケートは同日に公聴会を傍聴した人たちを対象に厚労省が実施し、140人が回答した。回答者の年齢層は20歳代6.4%、30歳代23.6%、40歳代28.6%、50歳代34.3%、60歳代5.0%、70歳代以上0.7%。職業別では医師5.0%、歯科医師2.1%、薬剤師4.3%、看護師0.7%、その他の医療従事者32.1%、医療関連の会社員45.7%などだった。

 アンケート結果は1月27日の中医協総会で配布された。
 それによると、「公聴会は有意義だったか」を質問した結果は、「有意義だった」53.8%、「非常に有意義だった」15.0%。「どちらともいえない」との回答も16.4%あった。一方、「あまり有意義ではなかった」「全く有意義ではなかった」は、それぞれ3.6%、1.4%だった。

 公聴会に対する感想の自由記載を求めたところ、「公聴会で出た意見をその後、中医協としてどう検討してどう結論を得たのか、目に見える形で示していただきたい」など、中医協に意見を反映させるよう求める声が多かった。
 このほか、「医療現場からの貴重な意見を聞くことができた」という前向きな感想の一方で、「もっと早い時期に開催しなくては意味がない」「パフォーマンスとしか思えない」などの声もあった。

■今後の議論の「大きな材料に」-遠藤会長

 一般公募で選ばれ、22日の公聴会で意見発表した千葉県内の開業医団体の男性職員は、公聴会での意見が改定に反映されているかは「少し疑問なところもある」と指摘。「意見を聞いたという事実だけでなく、是非真摯(しんし)にご検討いただければ」と中医協委員らに求めた。
 これに対し、中医協の遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)は、厚労省が募集した「現時点の骨子」へのパブリックコメントと共に、公聴会での意見を今後の中医協の議論の中で「大きな材料」として扱う考えを示し、理解を求めた。


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by jazsmeyoay | 2010-02-06 11:53
 宮城県警塩釜署は4日、私立仙台育英高2年で中国籍の男子留学生(18)を殺人未遂容疑で逮捕した。

 発表によると、留学生は1月30日午前1時半頃、同県多賀城市の同校学生寮の自室で、同室の3年生で中国籍の男子留学生(20)の胸を、果物ナイフ(刃渡り9・5センチ)で刺して殺そうとした疑い。刺された留学生は10日間のけが。

 同署は、刺した留学生が「死んでもかまわないと思った」と供述したため、殺人未遂容疑を適用した。その後は殺意を否認。動機を「(相手が)部屋で電話をしているのが、気にくわなかった」と供述している。

 同署の発表では、学校側は弁護士と相談したうえで、事件から4日後の今月3日になって同署に相談した。

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by jazsmeyoay | 2010-02-05 15:27
 NHKの福地茂雄会長(75)が、来年1月の任期満了前に辞任したいとNHK経営委員らに伝えたとされる件に絡み、福地会長は1日、産経新聞のインタビューに対し、辞任の意思については「常識的に年齢から考えてそう」と改めて認めた。ただ、時期については「ニュアンスも含め、一切(報道陣には)答えていない」とノーコメントとした。

 福地会長は「(辞任を)いつ、どうするとかいうことは、記事になると職員の動揺を招く」とノーコメントの理由を説明。その上で「こちらが話すときには全部話す」と述べた。

 次期会長のもとで再来年の予算編成と国会説明をしてもらうために、任期満了前に辞任するとされる見方については、「あれは一般論。経営というのはどこで任期を切っても、何らかの問題は残る」と含みを持たせた。

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by jazsmeyoay | 2010-02-04 15:51
 【秋葉原17人殺傷 初公判】(2)

 《罪状認否で「私がしたことには間違いありません」と起訴事実を認めた加藤智大被告(27)。続いて、弁護人が公判での方針を述べ始めた。警察官に対する公務執行妨害罪などが成立することについては争わないが、「その余は争う」という。弁護人はさらに続ける》

  [フォト]加藤被告が携帯電話サイトに書き込んだ犯行予告

 弁護人「完全責任能力であったことには、疑いがあります」

 《裁判の争点などを事前に話し合う公判前整理手続きでは、検察側が「完全責任能力があった」とする精神鑑定結果の証拠調べを請求したが、弁護側は加藤被告が「事件当時のことはあまり覚えていない」などと話していることを理由に、証拠採用には同意しなかった。弁護側は今後の公判でも、「心神耗弱だった」などと主張する見込みだ》

 裁判長「被告人は席に戻ってください」

 《村山浩昭裁判長に促され、加藤被告が被告人席に戻る。落ち着いた表情のままだ》

 《続いて、検察側の冒頭陳述に移った。向かって右手の検察官席の背後、大型モニターの脇には、白い模造紙に覆われた大きなボードが置かれている。ここで白い模造紙が外された》

 《模造紙の下から現れたのは、加藤被告が犯行に及んだ秋葉原の地図。加藤被告も視線をあげ、地図を見つめる》

 検察官「本件は平成20年6月8日日曜日、秋葉原のメーンストリートにおいて、歩行者天国が始まって間もない午後0時33分ごろ、被告が2分の間に、合計18名に対して殺害行為に及び、7名の命を奪い、10名に重軽傷を負わせるなどした事案です…」

 《検察官は、文節を区切るように、ゆっくりと冒頭陳述を読み上げていく。始まりは平成15年3月、岐阜県の中日本自動車短大を卒業した場面。その後、仙台の警備会社に勤務し、派遣会社に登録して埼玉県の自動車工場や木材加工工場で働いたという加藤被告の経歴が明かされていく》

 検察官「被告は派遣社員として働く中で、自分の存在価値が認められず、部品やパーツのように扱われていると感じて不満を抱くことがありました。木材加工工場を辞めてしまい、しばらく定職につけなかったので、将来に不安を抱くようになりました…」

 「被告はそのころ、携帯電話の出会い系サイトで知り合いメールを交換していた女性が、被告を心配してくれたのをうれしく思い、『女性と交際して結婚すれば幸せになるかもしれない』と思いました。しかし、その女性に自分の顔写真をメールで送ると、とたんにメールが来なくなったことから、自己の容姿が不細工であると思うようになり、強いコンプレックスを抱くようになりました」

 《携帯電話の掲示板に、容姿へのコンプレックスを書き込んでいた加藤被告。携帯電話越しに、女性に「拒絶」された経験が、その劣等感の発端だったと明かされた》

 検察官「こうして被告は、就労状況や自己の容姿などに思い悩むようになり、平成18年ごろから悩みや苦しみを携帯電話サイトの掲示板に書き込むようになりました。そうすれば読んだ者から慰めやアドバイスをもらえたり、自分のことを大事に考えてくれる女性と知り合い、結婚できるかもしれない、という期待をもっていたのです。掲示板は被告の唯一のはけ口でした…」

 《加藤被告が、掲示板読者に期待した「慰め」の書き込みは、当初はあったという。しかし20年5月ごろから、加藤被告になりすました「偽物」や「荒らし」が頻発し、同情的な書き込みは消えていった》

 検察官「被告は、自分の唯一の居場所がなくなり、存在が殺されたと感じるようになりました。さらに、それまで慰めの書き込みをしてくれた者にも、裏切り、無視されたと感じました。自分以外の者すべてが敵だと思い怒りを深めていき、『みんな死んでしまえ』と思うようになりました」

 《その後、加藤被告は19年11月から静岡県裾野市の自動車製造工場に派遣され、塗装検査の仕事を始める。そして20年5月28日、派遣会社の所長から「派遣が6月29日で終わる」と告げられたという》

 検察官「被告は、自らの意志に基づかず仕事を変えるのは初めてで、『工場から必要とされていない』と思い、ショックを受けました。しかし6月3日、派遣会社の社員から、『29日以降もその工場での仕事を継続できる』と聞かされました」

 《加藤被告は、その言葉に安心せず、むしろ逆の反応を示した。「リストラで人手に困り、単なる人数あわせのため」継続が決まったと受け止めたという》

 《加藤被告はこれまで、身じろぎもせず、目を伏せて朗読に聞き入っている》

 検察官「自分はほかの人と交換可能な存在に過ぎず、まともな存在とは認められていないと感じ、ますます自分以外の者への怒りを深めました」

 《そして、加藤被告のうっぷんを爆発させた“事件”が起こる。6月5日の早朝、出勤して更衣室に行くと、自分の作業着が見つからなかったのだ。「誰かが嫌がらせで隠した」と感じた加藤被告は激怒する》

 検察官「被告は更衣室にかかっていた作業着をすべて投げ捨てた上、手に持っていた缶コーヒーを壁に投げつけて、更衣室を飛び出しました。仕事を辞める決意をして寮に帰り、だれかが思いやりのある返事をしてくれると期待して、掲示板にそうした出来事などを書き込みました…」

 《しかし、思いやりのある反応はなかった。このことが、加藤被告に一つの「決意」をもたらす》

 検察官「被告は『大きな事件』を起こし、自分の存在をアピールし、存在を認めさせようと思いました。さらに『大きな事件』の原因が自分をまともに扱わなかった者、『偽物』や『荒らし』にあると思わせ、『復讐(ふくしゅう)』したいと考えました」

 《念頭にあった「大きな事件」とは、茨城県土浦市の連続殺傷事件や、仙台市のアーケードのトラック暴走事件だという。そして、その「復讐」の現場として、何度も行ったことがあり、日曜日は歩行者天国となる秋葉原が、思い浮かんだという》

 検察官「被告は、次の日曜日である6月8日、秋葉原の歩行者天国で、通行人をトラックではね、続いて通行人をナイフで刺し、無差別に人を殺害する『大きな事件』を起こそうと決意しました」

 検察官「被告は、警察に捕まれば、自分の人生は終わりだと思いました。しかし『もう生きていても仕方がない』と自暴自棄になり、捕まった後のことはどうでもいいと思いました。それよりも『復讐』が重要だったのです」

 《そして、加藤被告は掲示板で、犯行の決意をほのめかし始める。6月6日朝、掲示板には『やりたいこと・・・殺人/夢・・・ワイドショー独占』の文字が書き込まれた》

     =(3)に続く

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by jazsmeyoay | 2010-02-03 15:29
 太陽熱でタービンを回し発電する「太陽熱発電」計画が、国内では約30年ぶりに復活する。石油ショック後の81年、香川県で試みられたが、採算面などの理由で中止。その後、東京工業大を中心に技術改良が進み、低コストの新方式を開発した。国内有数の日照時間を確保できる山梨県北杜市に、実験プラントを建設する計画が進んでいる。【田中泰義】

 計画を主導するのは玉浦裕・東工大教授(エネルギー転換)らのチーム。「温室効果ガス排出ゼロ」を掲げて開発が進むアラブ首長国連邦のアブダビで試験を重ね、実用化が期待できる出力が得られる見通しが立った。

 太陽熱発電は発電中に温室効果ガスを出さないうえ、「太陽光発電」と違い、蓄熱することで曇天や夜間でも発電が可能だ。欧州の業界団体などによると、世界の推定総発電規模は現在、原発4基分と少ないが、50年には世界の総発電量の最大12%を占めるまでに成長すると予想している。

 アブダビでは、地上に設置した1386枚の鏡で太陽光を受け、高さ20メートルのタワーの先端に集めた後、再び鏡で地面に下ろし、その熱で特殊な溶液を500〜1000度まで加熱。これを熱源にタービンを回して発電する。時々刻々と動く太陽を追尾できる独自の反射鏡を開発し、集熱効率を高めている。最大出力は100キロワットと電子レンジ200台分だが、山梨の実験プラントは約3倍の規模にし、将来的には実用に堪える100倍の出力を目指すという。

 チームによると、すでに商業化されている各国の発電コスト(トラフ型)は、1キロワット時当たりで火力発電の4倍程度とされる。

 玉浦教授は「新型はその半分を目指す。環境税が導入されれば、温室効果ガスを出す火力発電に課税されて発電コストが上がるので、両者の差はさらに縮まるだろう。エネルギーの安全保障上も重要な発電手段になるはずだ」と話す。

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by jazsmeyoay | 2010-02-02 19:19
【第94回】勝村久司さん(中央社会保険医療協議会委員、連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)

 診療行為ごとの医療費を記載するレセプト並みの明細書をめぐっては、2008年度診療報酬改定でレセプトのオンライン請求を行う病院(400床以上)に対し、患者が希望する場合の発行が義務付けられた。今年1月15日の中医協総会が取りまとめた来年度報酬改定の「現時点の骨子」では、発行を義務付ける医療機関の対象を拡大する方針が示されている。これに対し、05年から中医協委員を務めている勝村久司さんは、全患者への無料発行を断固として主張してきた。4月に任期中最後の報酬改定を迎えるに当たり、実現に向けた思いなどを聞いた。(木下奈緒美)

■全患者への明細書無料発行で真の「中医協改革」を

-政権交代後の中医協での議論をどう見ますか。
 政権が交代する前にイメージしていた議論の進み方と大きくは変わっていません。再診料をどうするか、救急などをいかに手厚くするかが当然、大きな争点になる流れでしたし、実際その通りになっています。確かに何人かの委員の交代によって新鮮になった印象はありますが、個人の発言の内容は変わっても、中医協の基本的な議論の争点や方向性が変わったということはありませんし、変わり得ないと思います。
 診療報酬の総額の増減、すなわち改定率に政権交代の影響が出るか否かが注目されるのは分かります。しかし、5年前にその議論は中医協ではやらないということを決めて、中医協本来の役割の議論を担えたのですから、いまだにその注目が中医協に向く状況は少しおかしいと思います。昨年12月には、診療報酬の改定率などに対する中医協としての意見書を提出しようとして、結局まとまらず見送りになりました。しかし、無理にまとめる必要はなく、中医協は改定率よりも個々の診療報酬単価の価値観を相対的に見直していくことに集中すべきだと思っています。

-勝村さんは当初から、全患者へのレセプト並み明細書の無料発行の義務化を強く訴えています。
 04年の贈収賄事件を機に起こった「中医協改革」では、診療報酬を改定する上で、患者の視点を重視していくことが強く打ち出されました。その後、議論の公開が進み、新たに病院の代表や看護師の代表、わたしのような患者代表も委員に加わりました。また、診療報酬全体の「枠」となる改定率の議論は別の所でやることになったので、中医協では「中身」の議論ができるようになりました。これは国民にとって非常に良かったと思います。なぜなら、「何が本当に大事なのか」を中医協で初めて議論できるようになったからです。
 患者の視点を重視するには、中医協で決めた診療報酬の点数に対して、患者が良しあしを言えることが大事です。そのために、何が何点なのかを患者に示さないといけません。それがレセプト並み明細書です。中医協の患者代表委員を引き受けた時、わたしはまず、全患者への明細書の無料発行義務化の実現が最も大切なことだと感じました。そうすれば、日本中の患者が点数を見て、ものによって「高い」とか「安過ぎる」とか「不健全だ」などと言える。つまり中医協委員と同じような議論ができるようになります。わたしの役割の一つは、日本中の患者が“中医協委員”になれるようにすることなのです。06年度、08年度の改定では実現せず、当時の中医協会長からは段階を踏んで少しずつ進めるよう説得され、今回は委員を務めて3回目の改定になりました。この間、順調に進んできていると思っていますが、もし今回も実現しなければ、「中医協改革」で打ち出した患者視点の重視とは一体何だったのかと言わざるを得なくなります。これが実現して初めて、患者の視点を重視した本当の「中医協改革」が5年をかけてやっとなされたことになるのだと思います。

-実現に当たっては、医療機関が負うコストを問題視する声があります。
 「レセプト並みの詳細な明細書を全員に発行すべき」と言い続けたところ、06年度の改定では、一歩前進ということで、「投薬」「検査」などの小計が記載されただけの領収証の発行が義務化されました。実際に今、全患者に明細書を発行している病院では、この小計領収証を発行するシステムを使って、印刷の様式を変えることで明細書を発行しているところが多いようです。ソフト会社が明細書発行のためにレセプトコンピューターの設定を変えるには、あまりお金も時間も掛からないと聞いています。
 中医協の以前の日本医師会代表委員の方々は、明細書発行のためには、初期にレセコンの費用が掛かると言い続けてきました。診療所でも、小計領収証の発行が義務化された際と同じように、2年に一度、診療報酬改定を受けてソフトを変える際は、対応がしやすいのではないかと思います。ただ、医療機関の規模などによっては、半年くらいの猶予期間は必要かと思います。
 ランニングコストは、患者からの請求があった時だけ発行するよりも、全患者に無料発行する方が抑えることができると、複数の病院の医事課の方から聞いています。例えば仮に10人に1人が請求する場合でも、事前に発行するためのレセコンの設定はしておかなければならず、また、受付・発行業務に人手がかかってしまいます。これらを考慮すると、初めから印刷の設定を変えて全患者に明細書を無料発行する方が、事務の窓口の負担は増えず、必要な人手も全く変わりません。また、全患者に明細書を発行している医療機関では、医療費に関する医事課への質問が減ったとの報告もあります。

-今後の議論はどうなると見ていますか。
 今後は、全患者への明細書無料発行義務化に向けて理解を求めていく必要があります。08年度改定時にも完全には実現しなかったので、今年の改定に向けて中医協・診療報酬改定結果検証部会のテーマに明細書を入れてもらいました。年末の改定に向けた議論の中でも、過去の薬害被害者らの要望書など資料を見せて、委員の皆さんにレクチャーをする時間を少し頂きました。また、12月22日に提出した支払側の意見書にも盛り込みました。それにもかかわらず、今年1月13日の中医協で厚生労働省が示した「2010年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」では、全患者に無料発行するか否かの論点が明記されていませんでした。つまり、今回は全患者に無料発行する条件が整ってきていることが十分理解されておらず、また一歩前進で済ませようということだったのです。厚労省からすれば、ほかの注目されているテーマと比べて優先順位が低く、考える時間が十分になかったのかもしれません。しかし、今や全患者に無料発行しているところはいくらでもあって、何の問題も起こっていません。これ以上待っても同じです。今が実現すべき機会なのです。
 医療側の理解を得る方策としては、例えば全患者に無料発行する医療機関の初診料を少しアップして、「プラスアルファ」が得られるようにする。初期投資で一定の加算を付けて、ある段階で本当に普及したらやめるという方法もあるかもしれません。とにかく「明細書の全患者への無料発行はそもそも当たり前」と思ってもらうことが必要だと思います。
 医療事故・被害をなくすためには明細書の発行が欠かせません。明細書を見れば、誰でも「中医協の議論」に入って行けるようになり、患者は健全な価値観で「高過ぎる」「安過ぎる」という相対的な違和感を世論にしていくでしょうから、結局、救急医療などで一生懸命頑張っている人の応援にも、自然になっていくと思います。

■軽症患者からの特別料金徴収、「効果的でない」

-病院勤務医の負担軽減策として、一定の条件の下で、救急外来を受診する軽症患者から「特別な料金」を徴収することが検討されています。
 目的は理解できますが、手法がよくないため、目的を達成できるどころか、かえって混乱を招くと感じ、この手法には反対しています。腹痛を訴える子どもを連れて行って、大丈夫だと言われて帰ったものの、腸閉塞で死んでしまった子どもの事例だけでも複数聞いています。軽症かどうかの判断をするにしても、安易にすれば医療過誤になるし、かといって「間違いなく軽症だ」と判断するためには、相当の時間がかかることが多いかもしれません。これでは勤務医がますます大変になってしまいます。
 高校を例にすると、定期試験終了前になって、「トイレに行きたい」と言い出す生徒がいたとします。教室で座っているのが退屈だからなのか、保健上の理由なのかの見極めはとても難しく、わがままや自分勝手な言動の生徒でも、その時だけは本当にトイレに行く必要があるかもしれません。変に偏見を持って「我慢しろ」と言ったところ、実は本当に体調が悪かったとすれば、教師としてあってはならないことです。これと同じで、軽症と思って来ているのかそうでないのか、実際に軽症なのかどうかの区別ができないから危険なのです。こうした判断は、人間相手の仕事では非常に難しいと思います。楽になろうとするのではなく、難しいと思い続けて、その中で一生懸命、精いっぱいやることが、人間相手の仕事ではベストなのです。何らかのルールを導入すれば簡単に解決できるのではないかという論理は、生活指導が大変な学校などで既に多くの教訓がありますので、そのあたりから学ぶこともできるでしょう。お金を払わせるというルールを作れば、お金を持っている人でわがままな人は、お金を払うことで堂々と軽症でも優先して受診できることになります。お金持ちであろうとなかろうと、救急の現場では軽症は優先しないと、受付で毅然と対応しようと努力している人にとって、軽症でもお金を払えばよいというルールを作れば、そうした対応が取りにくくなってしまいます。

-基本的な考え方に問題があるということですか。
 いいえ。軽症患者がたくさん来て救急が困っているから何とかしたいという考え方は分かります。この議論は20年以上、救急の現場で言われ続けていることだとも認識しています。もちろん、勤務医の負担軽減に向けた議論はすべきだし、患者への啓発はどんどんしていくべきです。ただ、料金を徴収するのは、患者の行動形態を変えるやり方ですし、その手法は効果的ではありません。そうではなく、例えば深夜や早朝に診療をしている診療所には、これまでの加算以上に、より多くの手当を付ける。また、週1回でも深夜に診療をするなら加算を増やす。こうした手法を取れば、実際の救急外来で働いている勤務医の負担が軽減していくのではないでしょうか。差額ベッドのように、料金を徴収することで個室希望を減らそうというような安易なやり方は、命にかかわる救急では、貧困に苦しむ人が救急の受診抑制をする事態をもたらしかねません。方向性自体が危険だと感じています。


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by jazsmeyoay | 2010-02-01 17:48
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